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「既存不適格」とは?
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あなたは住宅の「既存不適格」という言葉をご存じでしょうか?
1980年に新耐震基準ができ、それ以前にできた家は「既存不適格」な住宅に分類されます。
この意味は家が建てられた時は合法であっても、今の建築基準法に照らすと基準を満たしていないのでこのように表現します。

現在立っている住宅の約8割は「既存不適格」だといわれています。
「年月が経って気がついてみたら、うちは不適格?」というわけです。

2005年6月建築基準法(その他関連法)の一部改正され増改築に対しては、現行の建築基準法に沿って改修しなければならなくなりましたが、現実には2006年6月より行政の対応が厳しくなりました。

そのまま住んでいる分には、違法ということではないですが、増改築する場合「耐震基準改修」が必要となります。

内容は、増築しようとする面積が既存の面積の1/2を超える場合には、建物全体を現行の建築基準法に見合うようにし、1/20〜1/2の場合には、日本建築防災協会の耐震改修マニュアルに添った耐震強化をしなければならないというものです。

文章でかけば簡単ですが、実際に既存の木造住宅を1/2以上増築する場合、構造体を既存の部分も全て現法規に合わせて改修するには、新築と同じくらいか、建物内容によってはそれ以上の費用がかかります。

また、1/20〜1/2増築の場合でも増築設計を依頼された設計事務所なども申請書の作成や説明資料などで経費がかかり設計料に見合わないので尻込みし、「増築はおことわり」のところが続出です。

私の従兄の大工は、地方の古い農家や民家を解体した材料で住宅建築を請負っていますが、仕事の依頼はあっても、担当してくれる設計士がいないとぼやいています。

なおさら、増築工事などで生計を立ていた地元工務店や個人大工は大変な状況になっています。

このような状況で危惧するのは、増築工事が大変なら増築しないでリホームすることにより、既存構造体を改造して、より不安定な建物になることも想定されます。

1945年の建築基準法制定当初は「早く安く建てるためにバラックのような家が広まっては困るから」という最低基準としできたと聞いています。

国としては、国民の財産と生命を守ろうという意図で、地震が起こるたびに反省から耐震基準を強化する方向で建築基準法を改正してきました。、

早い話が、増築するお金があるなら、まずは耐震改修をしなさいということです。

100年を経て大きな地震を実際に乗り越えてきた実績のある建物があったとしても、改修するとなると、現在の大地震ごとに改正される実績データーのない耐震基準に合わせて改修しなければならないという矛盾が発生します。

日本に残る伝統的な古い町屋や神社仏閣にまでも、さかのぼって今の基準を合致させようとしています。

古い家や神社仏閣には、コンクリートの基礎などはないから、すぐに「既存不適格」ですよね。

現存する中では世界最古の木造建築「法隆寺」も、武家屋敷も、京都の町家も、築何十年以上を経てなおしっかりと建っている「昔からある家」も、みんな「既存不適格」。

何百年と続いてきた伝統的な木造の技術は、次代に継承しなければ将来に引き継がれないでしょう。
国がつくった法律により取り残された、日本の木造文化が風前の灯です。

これから造るあなたの家も何年か過ぎると「既存不適格」の仲間入りですかね。

  






テーマ:住まい - ジャンル:ライフ

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