HOME > 住宅設計 > 快適な温熱環境
我が国において住まいの温熱環境を考える場合、寒冷地と温暖地における対応が変わってきます。
寒冷地においては、居室から廊下へ出たときなどに起こるコールドショックにより高齢者の脳卒中の危険性が増します。
東北地方に多いことは知られていますが、意外と北海道は少ないです。
これは、断熱・気密が徹底し、室内が広く暖房されているからと思われます。
高断熱・高気密住宅は熱を徹底して逃さない住宅造りが必要で、1重ガラスは熱が壁に対して15〜20倍も逃げるので、高性能な複層ガラスにし、さらにできる限り小さくすることが寒地における住まいづくりの基本です。
しかし、自然エネルギーの有効利用の観点から、南面に大きな開口部を設け、寒冷地には貴重な日中の太陽熱・光をできる限り取り、夜にはそれを逃がさない開口部の工夫がなされてくるでしょう。
温暖地においては、四季のうち夏期をのぞいては、太陽を部屋中にいっぱい入れ、風通しをよくし、できるだけ夏期の冷房期間を短くした高遮熱・気密住宅計画が基本といえます。
特に夏季における風向き、かつ遮熱対策を考慮して開口部を計画するのが大切です。
複層ガラス+遮熱サッシにして、できるだけ風通しを配慮し、明るい空間づくりが住環境の視点から望ましいでしょう。
空気の汚染した都市部の住宅には、爽やかな外気、静かな環境は望めないケースが多くなっていますね。
防音性を高めた高気密住宅で空調完備の住宅をつくることが最適な選択でしょう。
■ 熱の伝わりかた
熱が伝わりかたには伝導、対流、放射があります。
熱伝導は固体物質を熱が高いほうから低いほうへ伝わることをいいます。
物質によって伝導率が違い、金属は伝わり易いので冷たさや熱さを感じやすいのですが、柔らかい木などは熱が伝わりにくいです。
この熱伝導を遮断する役目が断熱材で熱伝導率の低いもので作られています。
対流は、液体や気体の移動によって熱が移動することで、吹抜の空間で1階より2階のほうが暑いのはこのためで、このを利用すると風が無くても自然換気をすることが出来ます。
また、風など横方向の動きによっても熱は伝わります。
暑い日に風が吹くと心地よかったり、寒い日に風が吹くと更に寒く感じるのは対流が起こるためです。
放射は、物から物へ遠赤外線のような電磁波によって熱が伝えられる現象です。
熱が高いものからは盛んに発生するので、ストーブなどから多少離れても暖かさを感じるのはこのためです。
また、床暖房のように広い面積が暖かい場合は、ストーブのように高い温度でなくても体全体に当たっているから快適な暖かさに感じます。
空間のためには、より均一な温度環境が大切となります。
建物の温熱効果を考えた場合、蓄熱効果を考えることも必要です。
鉄筋コンクリートの場合、コンクリートに熱を蓄える性質があるので、昼間熱せられたコンクリートが夜になっても熱が残っているので、夜になっても部屋が暑く感じられるのです。
このため、鉄筋コンクリートの住宅はコンクリートに熱を蓄積させない外断熱が基本となります。
木造住宅ではコンクリートほど熱容量がないので、外、内どちらでも大差ありません。 また、ログハウスのように木材で壁面を構成すると太陽熱を蓄積し、さめにくく保温効果があります。
これからの住まいは、四季を住まいに取り組み、それぞれの季節を味わいながら、盛夏・真冬時には弱者も住んでいる住まいを外部の寒暖から保護できることが大切なので、それには窓を開放可能にしつつ、閉じれば高性能住宅にできる住まいづくりと、上記の伝導、対流、放射という熱の伝わるしくみを上手に利用した家ずくりが必要でしょう。
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