
間取りは平面思考ですが、生活空間は立体になりますから、一般のかたには「どのようにすれば、効果的な空間の演出が出来るのか」とか、「それを取り入れることにより、どのような問題を含んでいるのか」などを、私の経験から空間効果のある手法や商品を何回かに分けてまと
めてみます。
■ 天窓(トップライト)
自然な光を採り入れることのできる天窓は空に向かって視線が抜けることで、想像以上の開放感が生まれます。
また、天窓は、同じ面積の窓に比べ、3倍の採光効果があります。
敷地条件や設計条件により窓が十分に取り付けられないときに、天窓は十分な効果を発揮します。
しかし、注意すべき点があります。 南や西の屋根に大きめの天窓を設置したときは、光の入る量が多いですから、太陽光の移動や季節に応じて遮光を考えなくてはいけませんよ。
特に採光の取りにくい北向きの部屋には、天窓はおすすめです。
北側からの光は直射日光とは違い、安定した散乱光なので部屋にも落ち着きをあたえます。
子供室やロフトにも天窓は喜ばれるでしょう。
しかし、開口部は採光だけでなく通風の面もありますから、光だけ確保されただけではダメで、開閉式の天窓を使用するなどの部屋に対する窓とのバランスで考えないといけません。
また、「天窓を付けると雨漏れが心配」という方もいらっしゃるでしょう。
私の場合、米国の「ベルックス」という商品を長年採用してますが、どのような屋根材の仕上げでも雨漏れしてません。
以前、天窓から雨漏れするお宅から、点検して欲しいという話があり見たところ、日本のサッシメーカー製でした。
原因は天窓周囲の水切り板金から漏水しています。
日本サッシメーカーの天窓は、商品単体の販売のみで屋根材の種類に応じて水切り板金はセットされていず、現場施工となっていました。
その点「ベルックス」は屋根材の仕上げに応じて水切り板金が用意されていて安心でした。
でも、現在の日本のサッシメーカーの天窓は、ベルックスと同仕様になっていますから、安全といえましょう。
雨の多い国のメーカーが、雨の少ない国のメーカーの商品を採用するといった皮肉な結果となっています。
ただし、屋根勾配が緩いと天窓の設置には不向きといえます。
屋根を流れる雨水の流れが遅くなり、台風や風雨などの屋根の上で風が舞う状況の時、雨漏れなどの問題が考えられます。
天窓を採用する場合、屋根勾配は4/10(4寸勾配)以上は必用ではないかと考えられます。
天窓から入る光は、空から降り注ぐ光なので神々しい感じがして、上手に取り入れれば空間演出にはとても効果を発揮するでしょう。
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