
最近チラシなどで、「アウトレットマンション」という文字をよく見かけますよね。
アウトレットとは「放出品」「はけ口」と言う意味です。
年末に、埼玉に住むイトコから「アウトレットマンションを買いたいのだが、いっしょに見て欲しい」という連絡があり、先日いっしょに物件を見てきました。
販売されているマンションを見てちょっと驚きました。立派な高級分譲マンションです。
不動産業者の説明では、3LDKで4550万で販売予定だった物件が、2670万円だそうです。
ローコスト住宅どころか、一般注文住宅ですら楽に1棟建ってしまうような値引額です。
イトコも、あまりに値引額が大きいので不安になって私に一緒に見て欲しいと考えたようです。
私もアウトレットというからには、「物件のどこかに問題があるのではないの?」という思いで見に行きましたが、そんなことはなく建物の内外部とも、とてもしっかりとした優良物件でしたよ。
それでは、なぜそのような優良物件がアウトレットマンションとして出回っているのか疑問になりますよね。
数年前の「構造計算偽造事件」以後の着工マンションは、構造チェックが大変厳しくなり業者側も構造強度には特に注意してつくられていて、現在のように安売りを前提としてつくったわけではないのです。
建築業者にとって計算違いは、やはり現在の世界的な大不況から、金融機関が一斉に貸し渋りしていることです。
マンションなどの大型建築をする業者は先行投資金額が大きく、物件を販売することで収益がでるまでは、金融機関からの借り入れで建築業者などへの支払いしますから命綱なのです。
その命綱が切れてしまい、昨年、大型倒産にいたった大手マンション業者が多数発生したのは記憶に新しいところです。
しかし、不動産業界にはそのような、物件を抱え資金繰りに困っている業者や、倒産して債務整理のため現金が欲しい業者などから、完成物件や工事途中物件を安く買い叩いてアウトレットマンションとして販売する業者もいるのです。
先日テレビの「噂の!東京マガジン」でも取り上げていましたが、アウトレットマンション販売の社長は「ホクホク顔」。
マンション業者からは、ひっきりなしなしに物件紹介の問い合わせがあるそうです。 前述のような販売価格でも利益がでるのですから、よほど業者の足元を見て買い叩いていると思われます。
大不況で建築業界の崩壊がおきて、始めて一般消費者の希望レべルに近い物件が出回るとは皮肉な話です。
しかし、マンション業界の事情はともあれ、消費者にとっては高級マンションが大幅安値で販売されているのですから大歓迎ですよね。
ただ、すべての物件が優良アウトレット物件とはいえませんから、購入検討の方は建築関係者や専門家などに見てもらうことをオススメします。
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