
家を建てようとすると様々な専門職の方に出会いますよね。
しかし、専門職の方は、その道のことは何でも知っていると誤解している方も多いようです。
まず最初に間取りなどの打合せで設計士に出会います。
「1級建築士さんなら2級建築士と違い住まいのことは何でも知っているだろう」と思ったら大間違いですよ。
建築士にも得意、不得意分野があります。
構造が得意の設計士、意匠(デザイン)の得意な設計士、積算が得意な設計士・・・と様々なのです。
また、住まいは生活の場を設計するのですから、独身で若い設計士の場合などは、生活感に乏しい表面だけのデザイン住宅が出来る場合がおうおうにしてあります。
よく「友達に一級建築士がいますから家の設計を依頼します。」という話を聞きますが、肩書よりも住宅設計をどの程度経験しているのかが大切なのです。
私の知っている例でも、ビル建築設計専門の1級建築士が片手間に知人の住宅を設計しました。
施主は、大きなビルを設計する人だし、なによりも1級建築士だしと安心していたようですが、結果は惨憺たるものでした。
木造の納まりがわからず、詳細図面は書いてきても「こんな漫画かいても納まらないよ」と現場で大工は図面を見向きせず、相手にされません。
出来あがった家は、「表面だけのデザインは斬新ではあるが、使いづらくて困る!」という施主の評価で数年後には転売されてしまいました。
このような設計士の住宅プランなら、ハウスメーカーの経験豊富な営業マンが作るプランの方がよほど住宅として優れていると言えるかも知れませんよ。
また、専門職への誤解としては工務店に対する勘違いも非常に多いですね。
みなさんは「工務店なんだから、なんでも出来る」と思っていないですか?
工務店であれば、木造、鉄骨造、さらには鉄筋コンクリート造までなんでもできると錯角していないでしょうか? 設計士と同じで工務店といっても得意分野があるのです。 個人大工から成長した在来木造専門の工務店、大手ハウスメーカー下請けが中心の工務店、2X4専門工務店、他メーカーのフランチャイズ化した工務店・・・と様々なのです。
「工務店」と言う言葉からは、「物を作る」とイメージしがちですが、一般的には多くの下請け業者の工事をコーディネートして営業しているのです。
工務店が工事の為に所有するのは仮設資材程度で、後の工事はすべて外注工事というのが実態なのです。
それでは、工務店には何が必要なのかというと、設計者と同じように「経験」によって、コーディネートが成り立っているのです。
設計士も工務店も、さらにはハウスメーカーでも、肝心なのは「必要な経験とノウハウ」を持っているかです。
特にハウスメーカーの場合、会社に知名度はあっても担当技術に「必要な経験とノウハウ」があるかどうかです。
皆さんが家を建てる場合、専門家の意見や考えは貴重で尊重すべきですが、「必要な経験とノウハウ」を持ち合わせているかどうかに注意して下さい。
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